1: 高低差速報

 なぜドラッグストアの食品は安いのか。本来薬局であるドラッグストアは、これまでティッシュやトイレットペーパー、洗剤など生活日用品の安売りで客を集めてきた。しかし、いくら安さをアピールしても、日用品は毎日買うものではない。一回買えばしばらくは事足りる。

 ところが食品は別だ。コンビニで昼食を買う層を意識した値付けにすれば、毎日買い物に来る見込み客を確保できる。筆者の見ているドラッグストアは、昼時になるとカップ麺や飲み物、パン類やお菓子を手にレジを待っている男性客をよく見かける。向かいにあるコンビニに並ぶ客が手にするものとほとんど同じ内容だ。

とはいえ、ドラッグストアにとっては食品で儲けることが最終ゴールではない。これまでこっちに来なかった客層にも、足を運んでもらう行動習慣を植え付けることが肝心なのだ。飲み過ぎた翌日に、ペットボトルのお茶を買うついでに、胃薬やドリンク剤を手にしてくれればいい。来店機会が増えれば、ついでに利幅の大きい医薬品を購入してもらえるきっかけになるからだ。

 ドラッグストアの戦略はコンビニフードだけではない。納豆や豆腐、ハム、ソーセージ、ヨーグルトなどの日配品、ケチャップやマヨネーズ、カレールーなど食卓に上る食品も、スーパーに対抗しているかのように売価は安い。スーパーマーケットと同じ商品が買えて、しかももっと安いとなれば、奥様方も頻繁に訪れる。安い物を買うためには手間を惜しまない賢い主婦なら、ドラッグストアとスーパーをはしごするだろう。ドラッグストアにとっての食品戦略は人を幅広く呼び寄せる撒き餌というわけだ。

引用記事:http://diamond.jp/articles/-/147655
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