1高低差速報
http://yoshinori-kobayashi.com/12052/

今朝の朝日新聞の、小熊英二、井出英策両氏の「論壇時評」は面白かった。
内閣府の調査によると、いまだに全体の約9割が中流だと考えているという。
これには驚いた。「9割が自分を中流」だと思い込んでいるって凄くないか?
客観性がまったくない!
年収300万円以下の労働者は今や4割以上である。平均所得以下の者は6割を占めている。
非正規労働者が2000万人以上いて、その7割が年収200万円以下だという。
非正規雇用で働く男性の半分は、世帯収入を支える主稼得者で、その男性の37・5%が必死で働いても困窮するワーキングプアになっている。
もちろん女性の非正規雇用の47・57%も生活困窮者だ。 そんな惨状なのに「9割が自分を中流」だと思い込んでいる!
生活が苦しいと実感しているのに、自分はまだ中流の下位あたりに踏みとどまっていると信じている者たちが、
NHKで放送された貧困に苦しむ女子高生を見たとき、「自分の方が苦しい」と怒りの声を上げていたのだ。
自分の血税を、こんな甘ちゃんの女の子の生活保護なんかに使わせてたまるかと。 ネット右翼は実は「年収が多い」「子供がいる」「男性」で、
「正社員のお父さん」だったりするという。彼らは終身雇用や専業主婦などの昭和の価値観を達成したい
と思いつつ、それが危うくなっている不安感・恐怖感から生活保護受給者などの弱者を叩くのだ。
これはトランプを支持した層と同じで、低所得層の増大に危機感を抱く中間層が、自分より下層を叩く人間心理かららしい。
下層の増大が自分の安定した暮らしを脅かすと思うのだろう。上を攻撃せずに下を攻撃するのが、日米の右派の共通の心性のようだ。



gn-20120922-16





関連記事