1: 高低差速報
お金が働くことなく、金融機関で眠り続けている。日銀によると、銀行や信用金庫の預金残高は4月末時点で1066兆円と過去最高を記録した。企業が先行きに自信を持てずに、投資に慎重になっているためだ。日銀は総資産が500兆円を突破するまで国債を買い続けてきたが、経済が力強く回り出す状況には至っていない。

 「デフレマインドの転換には時間がかかる。今はその途上にある」

 16日の金融政策決定会合後の記者会見で、黒田東彦総裁は商品・サービスの値上げに慎重な企業が多いことに理解を示した上で、金融緩和を粘り強く続ける考えを示した。

 帝国データバンクが4月に実施した調査では、全国の企業約1万社のうち、平成29年度に設備投資を「予定していない」と回答した企業は36・9%を占めた。「米国の動向など不透明な要素が多く見通しが立たない」「設備の償却が負担になる」といった不安の声が寄せられた。

 全国116行の5月末の貸出残高は前年比2・6%増だったのに対し、預金残高は4・4%増。預金が集まっている割に、貸し出しの伸びは力強さに欠ける。

 全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は「金融緩和に加え、官民挙げての成長戦略の着実な実行が必要だ」と訴えた上で、銀行の役目として、コンサルティング能力の発揮によって企業の資金需要を引き出す考えを強調した。(米沢文)
http://www.sankei.com/economy/news/170617/ecn1706170005-n1.html



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